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蜘蛛達を倒した後、巨大な門を抜けてから、戦闘は一度もない。
つうか、敵がいないんだよ。
こんなのなら、まだ敵が居てくれた方が楽だよ。
門を抜けた先で待っていたのは、約2500kmの草原。
もうびっくりするぐらい全力で走ったわけ。
ヒカルが、何かあった時のために命力は温存しておこうとか言い出して。
あたし的には、体力を温存しようよって感じ。
2500kmも走らされたあたし的には、もうそれ自体が何かあった時だと思うんだよね。
黒流星に乗れば、どれだけ楽なんだよ。
卑弥呼とかいう女は、ついてくるだけで必死だった。
草原の終点には、新しい門が設置されていた。
次は、吹雪が吹き荒れる地が2500km続いたわけ。
当たり前だけど寒いのよ。
吹雪が2500kmも続いたら。
でも今はこんなクソ暑い中だと、あの吹雪が恋しくすら思えてくる。
何これ。メインストーリーって。
あまりに地味すぎるでしょ。
おかしいでしょ。いつまで続くんだよ。
あたしは、観測係の天海をチラッと見た。
タイミングがよかったのだろう。
ちょうど天海は、この層のデータを全て取り終えた所だった。
「出たわ。やっぱりあと1300km先に新たな門がある……」
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