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その直後、天海の表情が強張ったのを、あたしは見逃さなかった。
天海の能力は、あたしから見ても特別変わっている。
能力を使う対象を人ではなく、パソコンに対して使うからだ。
その能力を使い始めた時、こいつはやるなって思ったよ。
ヒカルが感心したのを見て、ちょっと嫉妬。
パソコンは天海にしか扱えない。
主に探査能力に優れているわけだけど、ブラックアウトのシステムにハッキングかけたりとか、かなりヤバいことをしている。
強制チーム対抗戦のシステムを作動させた時は、本気で驚いたわ。
新撰組屯所に突撃した時も、天海は外にいて、全員に敵の位置やらなんやら指示していたんだ。
言わば、司令塔。ゲームをクリアするため、さらに戦闘においての要。
そんな天海の話に全員が耳を傾けた。
「やっぱり……。この先にある門……。最初に通った門と同じ形をしているわ。識別も全く同じ内容。このまま進めば、おそらく最初の草原に戻るわ……」
「ええぇえ゛え!」
私は気が狂いそうなほどの、男らしい悲鳴を上げてしまった。
ま、まさかの、ふりだしシステム来た。
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