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「えー!じゃあ今まで進んだ分は無駄になるの?もう僕も暑くて限界……」
空は肩を落として、その場に座り込んだ。
「シャルキー。予知はどうなってる?」
ヒカルが、シャルキーへ視線を向けて訊いた。
そうだ。あたし達の中で、最も特別な能力を持っているシャルキー。
予知能力。
信じられないんだけど、ブラックアウトのインジェクションではなく、生まれ持った不可思議な力。
シャルキーの予知で、この事態は予想出来なかったのか? こんちくしょう。
「ごめんなさい。何も映らなかったわ」
何でも自分の思い通りに予知出来るわけではなく、勝手に色々なことが見えるらしい。
それでも、今まで役に立ったことは何度もある。
チームの中で、絶対的に代わりがいないのはシャルキーぐらいだろう。
暑い。どうするんだよ。
おそらく、と天海は呟き、パソコンの画面から視線を外して言った。
「ここがメインストーリーである事には間違いないと思うけど、パターンから考察するに、まやかしの可能性が高い。どこがフェイクなのかは謎だけど……。初めに入った門自体が誤りだった可能性も高い……」
初めから間違いだったとか、どうするんだよ。
取り返しつかないじゃん。
そんな中、ヒカルが何か気づいたのか冷静な口調で言った。
「もしかして、五芒星の奴らが集めているのはこのためか……?」
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