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「えー!じゃあどうするの!?」
空は砂漠の上に座り込みながら、悲鳴に近い声をあげる。
「戻るしかないだろ」
ヒカルはそう言いながら、空に立つように合図した。
「ノアの方舟に乗って川を下れば、虹色の畦道から帰れるわ」
天海もノートパソコンを閉じて、移動の準備を整え始める。
つうか、メインストーリーに入っても戻れるんだ。
何か雰囲気的に、二度と元の世界には戻れないような感じがしていたのに。
卑弥呼を見ると、あたし達に足手まといにならずについて来るためか、少しでも疲労を回復させているように見えた。
ヒカルが、回復要員で連れてきたけど。
やっぱり、はるちゃんの方が断然よかったな。
だいたい、あの卑弥呼って奴は元新撰組なんでしょ?
裏切ってきたとはいえ、何か信用出来ない。
そして……。
あたしは、ずっと黙っているユキヤに視線を向けた。
相変わらずだけど、アイツも信用出来ない。
常に思うんだけど、絶対に何か隠している。
ぶっきらぼうなユキヤ。
重大な何かを。
あたしは、前々からそれを暴いてやろうと思ってたんだ。
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