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あたし達の中では特別、異質な存在。
何か、あたし達のチームに入っているのに群れない感じ。
一匹狼的な。そのくせ、はるちゃんが失踪した時には、自分が探すとヒカルに申し出たのはユキヤだった。
何かあたしの元カレと同じ匂いというか、雰囲気がするんだよな。
DVというか何というか。
何か大きな秘密を絶対に隠している。
あたしにとってそれは、この男をチームに入れたことが唯一の過ちだったのではないかと思うほど。
完璧に思えるヒカルのたった一つのミス。
「仕方ない。一度、引き上げて作戦を練り直すぞ。最悪、他の五芒星との衝突を踏まえて」
ヒカルがそう言い渡すと、全員が移動する準備を整えた。
「また何千キロも走るのか……」
落胆する空を、天海が優しくなだめる。
「メインストーリーのデータが取れただけで大きな収穫なんだから、そんなこと言わないで。男の子でしょ」
あたしの役割は、チームを客観的に見ること。
それがヒカルから言われた、やるべきことだ。
新たに入った卑弥呼。
そして、秘密主義者ユキヤ。
この二人からは今後も目が離せないな。
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