舞踏会-2

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瞬く間に口の中の光が膨れ上がった。 『まずい!』 自分の動きが敵より圧倒的に勝っているからこそ、その状況を見て悟らされる。 避けるのに間に合わない。 敵の攻撃が俺に到達するまでと、俺が体を逸らして避ける時間。 敵の攻撃の方が速い。 『だから退けと言ったろ!』 「くっ!」 放たれる光。体に纏った水を通して鮮明に伝わってくる命力の密度。 『少しでも被害を減らすために今からでも退け!』 体の奥底。この力を使っているから遅く感じるのではなく、さらに物事の流れが緩やかに感じた。 何かが湧きあがってくる。 「はあ」 ほぼ無意識に動かしたであろう全身。足裏に力を入れて、敵に向かって倒れ込む様に歩み寄る。 構えた右腕の刃。 『和也!』 敵の口が大きく開き、光が解き放たれる。 それとほぼ同時。 いや、敵よりも一瞬だけ速く。 俺は右腕の刃を敵の口の中に押し込んだ。 「うわああ゛あああああああ゛ああ!」 刹那、視界は目映い光に埋め尽くされた。
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