舞踏会-2

5/33
前へ
/33ページ
次へ
刃の先から凄まじい振動が響き渡り、耳を裂くような轟音が鳴ると共に、爆発によって体が熱気に包まれていく。 身体中に纏った水が弾け飛びそうになるが、体に吸いつくようにへばりついた。 それでも全身が熱くなり、明らかに自分の体に火傷を負っていく。 『いや……私が間違っていた!これでいい!押せ!』 爆発に耐えながらも、俺は伸ばした右腕の先の刃にグッと力を込めた。 直後、口に刃を突っ込まれた敵はその攻撃に堪えられなくなり、バランスを崩しながらも自分の身を強引に退いていく。 「はあ はあ」 後ろに身を退いた敵の口の中で溜められていた光の塊の爆発は、最小限に留まって消え失せていった。 おそらくは口の中から直線的に放たれるはずだった攻撃。 口の中に刃を突っ込んだことによって、その場で爆発を引き起こした事で敵の顔面は火傷で爛れていた。 『なるほど。口の中に刃を突っ込み、爆発を最小限に抑えた。君にしてはなかなかやるじゃないか』 敵の姿は既に腕を二本失い、顔は火傷で爛れて無数の目玉が幾つも零れ落ちそうになっている。 『しかし、今ので大幅に力を消費してしまった。時間がない。ここでけりをつけるぞ』 わかった。 全身が重たい。今にも倒れそうだ。 無意識に52号と描かれた数字が目に入る。 『行くぞ。最後だ。“終の型”』
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

545人が本棚に入れています
本棚に追加