舞踏会-2

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終の型。真っ正面から敵と対峙した状況だと危険じゃないか? そう心の中で言いながらも、俺は“終の型”を放つための体勢に入った。 『もう一度でも、一から三の型のどれかを使ってしまうと、終の型を使うための命力が足りなくなってしまう。いや……その必要はないかもしれない。見てみろ』 グラグラとよろめく敵。 垂れ下がった目玉の数々は、既に視線がどこに定まっているかわからない。 そのすぐ側では、仁が鎌を構えていた。 まるで風のような速さで姿を現した仁。 全ての物事をスローモーションのように遅く感じていたはずが、仁の動きだけは異常に早く感じる。 頭に被った獅子の鬣が揺らめく。 ぎらりと鋭く光る刃。 さらに柄と刃に描かれた椿の花がきらりと光った。 すると、柄を握り締めた手から白骨化が始まる。 醸し出された禍々しい黒い雰囲気。 心が不安になるような嫌な空気が流れる中、白骨化は一気に仁の胸辺りまで進んだ。 本能的にだろう。 重々しく禍々しい雰囲気と、危険を察知した敵が、残った二本の腕で防御しようとする。 しかし、その行動よりもほんの少し早く、構えていた鎌が敵へ向かって静かに振られた。
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