舞踏会-2

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既に声すら発しない敵。切り裂かれた上体部は地面へゆっくりと崩れ落ちていく。 『よし。仕留めたな』 光刀の言葉が切れると共に、纏っていた水が白煙へと戻り始めた。 全身が重たい。 体の重さを全く感じていなかったせいか、水が解除されると共に何十kgもの重りを乗せられたような感覚だ。 多分、“終の型”使えば意識を失っていた。 「はあ……はあ……」 そんな矢先、苦しそうな息使いが耳に届く。 視線を上げると、仁が片手で腹を抱えるように苦しそうな声をあげていた。 「────!」 白骨化が戻っていない!? 攻撃を終えたにも関わらず、仁の腕から胸にかけての体は細い骨となったままだった。 それでも、鎌だけは握り締めている。 「仁!大丈夫か!」 俺が言葉を発すると共に走り出すと、杏奈と美沙も、よろめいて倒れそうな仁に慌てて駆け寄って支えた。 「はあ……はあ……はあ」 全身から噴き出す汗。その割りには異常に体が冷たい。 「大丈夫か!しっかりしろ」 乱れた呼吸が焦りを覚えさせる。 嫌な予感。 ふと視線を落としてみると、そこには白骨化が段々と広がっていく光景があった。 「杏奈!どうにかならないのか?」 俺の言葉に杏奈は仁の姿を見たまま口を噤む。 何だよ。これ。 パニックで頭が真っ白になった瞬間。 「私に任せろ」 背後から聞き覚えのある声がした。
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