夢の終わり-2

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「もう、大丈夫ですよ。私は、貴方達に夢のような時間を与えてもらいました」 涙を流す美沙とは対照的に、微笑むシンデレラ。 「私の心の中で、思い出は一生残るわ。それだけで十分です。」 シンデレラは手を伸ばし、そっと美沙の手を握った。 『ガラスの靴が割れたとなると、お手上げだな。おそらく、もう片方の靴を継母よりも先に回収しなければいけなかったんだろう』 そんなこと、今さら言われても……。 申し訳そうな顔をしながらも、おそるおそる引き上げようとしていた大臣に、王子は話しかけている。 「大臣!わかっているはずだ!証拠なんかなくとも!この女性が昨晩、踊った相手ということを……」 大臣は首を小さく横に振りながら答える。 「王子様。申し訳ありません」 もう、いつクエストが終了してもおかしくはない。 失敗は明らかだった。 それでも。 「ごめんなさい……」 美沙は泣きながらシンデレラに謝った。 シンデレラは美沙の涙を拭うため、懐からハンカチを取り出して頬に当てる。 「あ……」 そのハンカチには、見覚えがあった。 そうだ。シンデレラクエストの初めにあらすじが流れた。あの時だ。
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