夢の終わり-2

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「まあ、何て下品な子でしょう」 継母は掴みかかろうとした美沙に対して、蔑んだ目を向けた。 その時、ある一つの考えが過って、無意識に俺はシンデレラにそっと近づいた。 「王子様。治療をお願いします」 「なっ!」 俺の言葉に、直ぐ様、大臣が怒りを表情に出す。 上手くいくかはわからない。 「無礼者!王子にその様な願いを庶民が請うとはあってはならないこと」 昨日の夜、仁を治療したのは王子だった。 王子ならシンデレラの傷を治療出来るかもしれない。 「その様な姿をした者に王子が治療をするなど、あってはならないことだ!行きますぞ!王子!」 すると、王子は大臣の言葉に反応せず、そっとシンデレラの側まで歩み寄り膝をついた。 「そなたの傷。私に治させてくれないか」 王子が片手でシンデレラの足首に触れると、優しい光が包み込み始める。 「その瞳。見覚えがある。いや、はっきりと……」 もう片方の手をシンデレラの顔に。 驚いたことに、まるで作り直すかの様にシンデレラの傷が治り始める。 これで上手くいくはず。 みるみるうちに、美しくなり始めるシンデレラ。 「信じられない……」 大臣はその姿に息を飲んだ。 シンデレラの足の腫れが引きはじめ、段々とガラスの靴に収まっていく。 まさに一瞬の出来事。 俺は勝ち誇りながらも、継母の方へ視線を向けた。 しかし、継母の姿が見当たらなかった。
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