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■ブラックアウト:本部
─────???──────
うわあ。初めて参加する。ここまで頑張ったかいがあったな。
室内は、暗黒に包まれている。部屋の中央に構えられたテーブルの前には、幾つもの椅子が綺麗に並べられているが、おそらく座っても薄暗いせいで、はっきりと顔はわからないだろう。
そういう風な作りになっているのだ。
既に椅子は半分ほど埋まっているが、まだほとんどが空席だ。
あれ?あの人、アメリカの大統領じゃない?
月に一度開かれる本部の会議。噂で聞いてたけど、あの三人も来るんだよね?
さらに、世界の王も来るんでしょ?
いや。世界の王はたまにしか来ないんだっけ。
何にしろ激熱。もう緊張して、全身が溶けるんじゃねえか。これ。
僕はDIMを取り出し、いつも通り確認の作業を行った。
よし。クエストに異常はないな。
そんな中、僕の隣に誰かが腰掛けた。
一応、社交辞令で頭をペコッと下げておく。
「どうも」
優しい声だ。
僕は頭を上げて、薄暗い中、その声の主の顔を見た。
隣だから、薄暗くても顔はわかった。
うわ。有名人じゃん。
藤原優だ。
確か、つい最近無くなったチーム“新撰組”の中に沖田総司ってプレイヤーネームで潜入していた人だよね?
管理クエストは、“逃げ惑う強き存在”。
あの三人の下で直属で働く一人だ。
やばし。確実にやばし。
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