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「ははは!笑わせるな。わらわはマリアじゃ。シンデレラクエストは、あえて明け渡したのだ。もうすぐ“世界が変わる瞬間”が訪れるならそろそろよかろう」
そう言いながらマリアから放たれる空気は、殺伐とした重々しい雰囲気に、その上からさらに重たい物を被せる様な重圧感。
室内には居心地の悪い胸苦しい感じが漂う。
「そうですよねー。この威圧感はマリアさんの感じだし。偽物じゃ出せません」
隣に陽気に笑う人物は、僕の位置からじゃ口元しか見えず顔がはっきりと見えない。
「代わりにお前から借りた“玩具”を置いてきたんだがな……。クリアしたとなれば、“壊された”ということか……」
「あー!だいぶ前にマリアさんに貸した!あんなのゴミ同然ですよー!」
二人の会話を見守るかの様に、沈黙が保ち続けられる室内。
「そろそろお開きにしようか……」
二人以外の沈黙を破ったのは、三人目の世界の王の補佐だった。
世界の王直属補佐リーダー。
まるでベースの様に低い声。
何とか、落ち着きそうだ。
それにしても……。
噂だとリーダーが一番狂ってるって話だけど。
だって、ヒカルを選んだのはリーダーでしょ?
黒田さんが開発した、神刀の所持者に。
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