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その言葉で、一気にざわざわとした声が広がる。
僕はノートを捲り、ブラックスターの情報が書かれたページを開いた。
突如、姿を現した新チーム。
チーム結成から28分後に、五芒星に参入したばかりの新撰組を壊滅させて基本クエストを全てクリア。これにより、メインストーリーへ行くための条件達成。
同時に、新撰組を倒したことで実質、五芒星へ昇格。
しかし、今までチーム登録を行っていなかっただけで、メンバーのプレイ歴は数年に及び、なおかつほとんど行動を共にしていたことが予想出来る。
メンバーは僅か10人足らず。
リーダーのヒカルは管理側に選ばれた存在で、神刀の所持者。
全ては計算してやったことか……。
さすが選ばれるだけはある。
しかも、管理側のシステムに侵入できる能力者がいる。
これはすぐにでも対処すべきだとの声が上がっていたが、結果的に能力ということもあってお咎めなしのまま。
そんなこともあってか、今じゃこのチームは、業界内では注目の的だ。
議長は壁に映像を映し出して、説明を始めた。
「えー。メインストーリーへの侵入ルートは皆様ご存知の通り、基本クエストクリアからなので、虹色の畦道を通り、三途の川からノアの方舟に乗って行きました。そして、最初の難関。地獄の花畑を難なくクリアして門を通過。その後、灼熱砂漠で引っ掛かり、一度撤退しています」
なるほど。メインストーリーを途中で断念して撤退したのか。
灼熱砂漠まで進めるだけでも、大したもんだけどな。
僕はノートにその情報を書き加えた。
沖田はじっと話を聞いている様子。
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