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その言葉で全員が振り返り、天海に視線を集める。
「どうやってきたんだ?DIMのデータがないのに、メッセージを飛ばす事は不可能だろ?」
天海に一番近い俺が、パソコンを覗きながら訊いた。
「うーん。多分、こっちの位置を特定しているだろうから、私のパソコンが能力だとわかった上で、直接、飛ばしてきたのかな。私と近い能力を持った人がいるのかもしれないわね」
「何だって?」
ヒカルが前方を警戒しながら訊くと、天海はすぐに答えた。
その内容は意外なものだった。
「“これ以上、そのまま進めば、今度は容赦なく攻撃を行う。ただし、用件があるならば、チームリーダーのみ、一人で直進しろ”だって。どうする?」
天海の読み上げた内容に、すぐにユキヤが気にくわなさそうな顔をした。
「噂で聞いていた話と違って随分、弱腰じゃねえか。本当にブラックアウト、一の超攻撃的チームなのかよ」
ユキヤの言葉は確かに頷ける。
アレクサンドロスは、他のチームとは一切の交流を持たないチームだ。
ヒカル、一人で来いか……。
メビウスの輪に潜入した時とは違って、今度は本体だからな。
罠だとしたら、チーム崩壊もありうる。
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