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「全員を危険な目に合わせていることはわかっている。すまない。だが、ここを乗り越えないと、メインストーリーの突破口へ繋がらないんだ」
珍しくヒカルは、申し訳なさそうな表情をした。
「誓う。もし、袋叩きにされる様なことがあれば、俺が先陣に立って誰よりも早く、そして多く戦うことを。チーム内のメンバーに手を出した瞬間に、同盟は諦めると……」
その吸い込まれそうな不思議な瞳から生み出されるのは、心につっかえがない自然な納得。
元々、ヒカルを信頼しているからだろうか?
ヒカルの言葉を聞くと、不思議な事に自然と信じて納得してしまう。
ホストより、詐欺師にでもなった方が稼げたんじゃねえか?
「シャルキー。どう思う?」
天海の質問に、シャルキーは頭に被せたローブのフードを剥いで答えた。
「大丈夫。壊滅的な予感はない。万が一の時は、“危機回避”を使って私がフォローするわ」
「よし。決まりだ!敵が交渉に納得次第、直進するぞ」
最後にヒカルの言葉で、心の決意が固まる。
それから僅か五分後。
アレクサンドロスが、リーダー同士一対一の話し合いに納得。
予定通り、ヒカルを建物内に送り届けるために直進。
そんな中、何故かユキヤだけは浮かない表情をしていた。
どこか残念そうな、重たい空気。まるで、戦闘を避けた事に不満があるような。
それだけじゃない、何かが違う。
俺は、それが心に引っ掛かってしょうがなかった。
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