BLACK★STAR②

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アレクサンドロスの領土に侵入したのは、それから数秒後。 踏み締める土が灰色に変わったのが、領土に侵入した証だ。 卑弥呼の走る速さに合わせて、景色が流れていく。 途端に周囲へ響き渡るサイレン。 随分と派手な演出だな。 多分、侵入者がいる事を仲間内に知らせるだけではなく、あえて敵に教えて身を退かせるためも含まれているな。 アレクサンドロスは人数が少ない。 自陣を守るためにも、無駄な戦いは避けるべきといったところか。 人数が少ない分、個々のレベルは高いらしいが、何にしろ謎に包まれている。 「天海!目標の建物までどれくらいだ!」 前方にいるヒカルから飛び出す声。 「まだ出ない。走っているせいね。常に目標までの距離が変わり続けているから、時間がかかりそう」 まるで槍の形の様に一直線に走り続ける。 「まだ敵は来ないな。一度、止まって正確な位置を測定してからにするか」 ヒカルの言葉に卑弥呼を始め、全員が走る速度を緩め始める。 しかし、直後、目の前に広がる空間。 頭上には予想だにしない光景が映し出された。 「きゃあ!嘘でしょおお!」 ルイが男の様に野太い声で悲鳴を上げた。 来たか。 突如として現れた視界を埋め尽くすほどの巨大な岩。 真っ直ぐ。 正確に。 投げられた様に勢いよく、俺達に向かって落ちてくる。
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