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「潰されたら結界も割れますわ!」
先頭の卑弥呼が立ち止まると、全員が完全に足を止める。
確かに。全員を軽く押し潰せるほどの大きな岩。
結界全体を覆われたら、風船を押し潰す様にどんなに硬い結界でも割られるな。
ポセイドンで攻撃して、岩を砕くか?
それぐらいなら別にポセイドンを使わなくても余裕で出来るが、落石していた細かいのが、めんどくせえなあ。
それに、あの岩には能力がかけられているかもしれねえ。
手を出した瞬間に、大爆発なんてオチも考えられる。
ここは……。
「シャルキー。頼んだ」
ヒカルがその隣に立つシャルキーに声をかける。
シャルキーも自身の役目がわかっていたのか、既に能力を放つ体勢に入っていた。
「了解」
返事と共に、掲げる掌。
新撰組では、確か天草四郎って奴が多種に渡る能力の使い手だった。
うちで言えば、シャルキーがそれに当たるだろう。
そう言えば、ルイの“デッドマリオネット”の人形を探すために死体を探したが、何故か天草四郎と沖田総司の死体は出て来なかったな。
土方歳三はチーム登録をしていなかったため、ヒカルが生かしたことはわかっている。
誰にも見られず死んだか?
シャルキーの掌から放たれる能力。
目で確認する事は出来ない。
しかし、岩の落下軌道が一瞬にして横へ外れた。
岩は当たることなく、凄まじい轟音を奏でて地面に転がる。
「行くぞ」
ヒカルの言葉と共に、再び全員が足を動かした。
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