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前にいる三人は、比較的、遠距離攻撃が得意じゃない。
ユキヤの粘土は、近距離から中距離を最も得意とするし、空の“ヒーロースーツ”は近距離が最適。
ルイの人形達は自由に動かせ広範囲において多角的な攻撃を行えるが、直接的な攻撃を与えるのには、敵の位置まで運ぶ必要があるからな。
人形達の能力を使う方法もあるが、おそらく本人が思っている以上に燃費が悪すぎる。
俺のポセイドンなら、敵も遠距離攻撃が可能だとわからせられることが出来るだろう。
ポセイドンを持っていることは、アレクサンドロス側も把握済みなはずだ。
俺は右腕を空に向けて上げた。
命力は奮発してやるぜ。
右腕部分だけポセイドンの力を解放し、命力をふんだんに注ぎ込む。
たちまち肥大化する右腕。
右腕の掌には、凝縮された命力の塊が集まり始める。
ポセイドンは、純粋な力のみを考えて作られた破壊兵器。
俺はポセイドンが求める力を注ぎ込めばいい。
力を整えた右腕の掌からは、前方から押し寄せる光線よりも、遥かに大きな光が解き放たれた。
空に登り詰める巨大な光。
直後、敵から放たれていた光線がピタリと止まる。
「よし。進むぞ」
ヒカルの指示で足を動かし始めた瞬間、天海が口を開いた。
「ちょっと待って!向こうからコンタクトが来た!」
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