BLACK★STAR②

9/18
前へ
/18ページ
次へ
外に出ると、ヒカルに指示された通りの配置につく。 それぞれ五メートルほどの間隔を空けて、先頭に卑弥呼。 次にヒカル、シャルキー。三列目に左からユキヤ、ルイ、空。 最後に俺と天海が後ろを固める。 五メートル間隔なのは、他のメンバーに何かあった時、互いにカバー出来る距離だから。 「行きますわ」 合図は卑弥呼が走り出した瞬間。 卑弥呼は俺達の中で一番レベルが低く、走るスピードも遅い。 だから、俺達は卑弥呼に合わせた速さで走ればいいわけだ。 よく考えられてるな。 敵が襲来し、誰かが布陣から一瞬でも外れる場合は、列を崩してすぐに立て直す。 先頭の卑弥呼が手を掲げると、正面には薄く透明な緑色の膜が立ちはだかる様に張られた。 「よし。行くぞ」 ヒカルの言葉で、全員に戦闘体勢のスイッチが入る。 隣にいる天海が、ノートパソコンのキーボードを叩きながら口を開いた。 「敵のフィールドを完全に把握出来るのは、領土内に入ってからね。こっちで指示するわ」 卑弥呼が後ろを向き、小さく頷く。 俺は爪先に力を入れた。 空は黒い雲で埋め尽くされている。 その雲は見える限りにずっと続いている。 眼前に広がる高い岩山。 この無数の岩山の奥地に、敵の本拠地があるわけだな。 瞬きをした直後、卑弥呼が走り出す。 それに続く、ヒカルとシャルキー。 さらにユキヤ、ルイ、空。 そして、最後に俺と天海が走った。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

524人が本棚に入れています
本棚に追加