レッドキングダム

32/33
576人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
目的地までは、あっという間に到着した。 草原の終着点で待っていたのは、果てしなく広がる美しい湖。 中央には、湖を割る様に一本の道が続いている。 その道の先にレッドキングダムは構えていた。 道の終わりには、20メートルはありそうな頑丈な高い壁が行く手を阻む。 見渡す限り左右に続く鉄の壁。 その高い壁から飛び出して見えるのは、城の屋根らしき物。 門から離れた奥へ離れた場所に、巨大な冠の屋根が見えた。 門に取り付けられた、レッドキングダムの紋章らしきものが描かれた看板。 車は門の前まで辿り着くと、急ブレーキをかけながら停止した。 アダムが運転席から窓の外へ顔を出し、門に向かって叫ぶ。 「アダムとリリルだ!新しく5人連れてきた!赤外線で審査して、急いで開門を頼む」 それから五分ほど。 車の中にも聞こえてくるほどの大きな音で、門が土と擦れ合い開き始めた。 門は意外にも、あっさりと開いた。 再び車が動き出した時、いよいよレッドキングダムの敷地内に入る。 その入口を潜ったことは、本当に正しいのだろうか? もう後には引けないな。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!