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次にリリルの姿を確認出来た時には、鉄の巨人の右肩に乗っていた。
瞬きをした直後のこと。
「駄目だなー。この中では君が一番強いんでしょー?」
リリルは呆れた顔をしながらロボットを見る。
「まだ私は警報も鳴らしてないんだよー?」
肩より高い位置に上げられたリリルの手に灯された命力。
いや、あれは命力なのか……?
『違う。命力だけじゃない。何か別の力と混合している……』
別の何か?
『命力以外に、何かを合わせているんだ』
リリルはただ右手を上げているだけ。
攻撃を行った素振りはない。
しかし、その直後、右腕を失った鉄の巨人に再び異変が起きた。
体の中心部、ちょうど腹の辺りで空間が歪み始める。
それは錯覚を起こしているのかと思う光景。
鉄の巨人の腹は、膨らみを見せたかと思えば、次の瞬間には異常にへこみ、その直後、大きく捻れていく。
「確か、コアはこの辺りにいるはずだから、パイロットも一緒だよねー?」
悪魔の様に不気味な笑顔を浮かべるリリル。
その光景を見てか、少し離れた場所に立っていた一体がリリルに向かって凄まじい速さで走り出した。
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