レッドキングダム

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鉄の巨人が地面を踏み締める度に、ガシャガシャと響き渡る機械音。 走りながら、どこからか刀に似た様な刃を取り出して構える。 肩の上に乗ったままのリリルは、向かって来る敵を尻目に口を開いた。 「アレクサンドロスも、この程度か……」 同時に、腹が抉れた人型のロボットから出てきた人間らしき残骸。 あれがパイロット……。 その形は見る影もなく、ぐしゃぐしゃに崩れ、撒き散らした赤い血と飛び散った肉の破片が人間であったことをわからせてくれる。 そして、次の瞬間。 肩の上に乗っていたはずのリリルの姿が、再び消失した。 リリルの姿を見失ったロボットは、戸惑いながら立ち止まる。 次に現れたのは、その戸惑うロボットの真上。 何メートルか離れた宙で、リリルは落下しながら右膝を曲げる。 変化し始める右足。 あれは……大聖堂で見た能力だ。 瞬く間に形を変えるリリルの足。 巨大な象の足へと変わっていく。 その大きさは、5メートルはあるだろう人型のロボットが小さく見えるほど。 息をつく間もなく、リリルはそのまま落下しロボットを踏み潰した。 響き渡る鈍く豪快な音。 巨大な象の足裏で大破するロボット。 足裏で爆発を引き起こし、火炎が渦巻いた。 「あと一体……」 リリルは、俺達から見て後方の位置にいたロボットを見て言った。
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