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──アダム・アカイヴァー ──
客人達を専用の宿泊施設に案内してから、俺とリリルはチーム領土の中心に建つ王宮を目指してゆったりと歩いていた。
チーム対抗戦の相手でもある、アレクサンドロスと一戦交えた明け方。
太陽が昇る時間も近づき、月が霞み始める。
今日のことは、アレクサンドロスならもう気付いているだろう。
アレクサンドロスの鉄人は、一機、一機が本部で常に管理されている。
リリルが撃破した瞬間に、向こうは気付いているはずだ。
先に仕掛けてきたのは向こうからだ。
俺達のチームの縄張りを荒らしたんだから、それなりの報復があっても仕方ない。
だが、引っかかることが一つ。
いくらチーム対抗戦の前だからと言って、敵の縄張りをリスクを背負ってまで荒らすだろうか?
確かに、あの街には俺達のチームに加わりたいプレイヤーが集まる。
だからこそ、嫌がらせで荒らしに来たのだとレッドキングダムは判断した。
本当に嫌がらせが目的だったのか?
「なあ。リリル。今日、攻めてきたアレクサンドロスは、本当にうちのチームへの嫌がらせで仕掛けてきたんだと思うか?」
俺の問いに対し、予想外なことにリリルはすぐに首を横に振った。
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