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─────天海まみ─────
「ブウゥウン」
無謀。四面楚歌。
そう思い込んでいた状況は、あっさりと崩れ去った。
ヒカルと、アレクサンドロスのリーダーとの交渉は、争いになることもなく信じられないほど上手くいった。
アレクサンドロス側がブラックスターを受け入れたのは、チーム対抗戦を行うのにも、メインストーリーへ進むにも、大きなメリットが幾つもあるからだ。
ヒカルは、相手を説得するのが神がかり的に上手。
結果、私達はチーム対抗戦が行われる日までアレクサンドロスに滞在することになった。
「ブウゥウン」
行動には制限がつけられているけど。
まず、アレクサンドロスの領土は、灰色の土が敷かれた平野と、それを覆う様な高い山で構成されている。
広さは直径10kmほどで、空には太陽の光を遮る分厚い雲が浮かび、領土のすぐ側にはオリンポス山が聳える。
私達が自由に行動して良い範囲は、外の敷地とアレクサンドロス本部の建物一階部分のみ。
二階以降と、アレクサンドロスのチームメンバーが乗るロボットが収納された格納庫は出入り禁止になっている。
また、チーム対抗戦が終わるまでは領土から出ることも、ログアウトすることも禁止。
結構な束縛よね。色々と現実世界でもやりたいことがあったのに、台無しだわ。
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