アレクサンドロス

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私達は、チーム対抗戦を迎えるまで、一日一回夜の八時から行われるミーティングを除いて、それぞれの自由行動になった。 戦争まで残り三週間。 ユキヤは浴びるように酒を飲んで、アレクサンドロスのチームメンバーと宜しくやっている。 意外と馴染むっていうか、同じ種類の人間みたいで居心地が良いみたいね。 ヒカルと二宮とシャルキーは山へポセイドンの実験に行っていて、残った私と羽柴と空と卑弥呼は近くの岩場でそれぞれの自主訓練に励んでいた。 「ブウゥン」 私は能力のパソコンを操作しながら口を開いた。 同時に視線を外して、ルイの方を見る。 「違うよ。ルイ。命力の量が。操る人形によって命力の量を分散するのは当然だけど、人によって正確に変えなきゃ。またずれてる」 私の言葉に、ルイはこれ以上ないないほど疲れきった表情を浮かべた。 「ああ゛!難しすぎるよ!」 「もう一度、徳川家康を4にして、牛若丸を5にしてやってみて」 「はーい」 ルイは言う事を聞かない不良生徒の様に、ふてくされながら始める。 私は頭をかきながら、今度は空に視線を移した。
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