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「空!ヒーロースーツの使い方がまだ甘い。攻める時は命力と心力を使い分けて、防御は命力のみ!空よりも攻撃力が高い奴が真っ正面から来たら、簡単に防御を撃ち破られるよ!」
空は、昔見た何とか戦隊の様な特撮もののヒーローを意識した能力だ。
能力も使い勝手が良いし、子供らしくて発想も面白い。
「うーん。難しいよ」
「しっかりやって!」
子供にしては、恐ろしいまでにレベルも能力も高いだろう。
レベルも一万を超えているし、プレイヤーの中ではトップクラスに入ることは間違いない。
その背景は、ヒカルに鍛え上げられたってのもあるけど、異常なまでの努力でここまで成長したんだ。
でも、レッドキングダムのトップにはまだまだ及ばない。
「あーあ、私達四人でレッドキングダムの“アイツ”を倒すことなんて出来るのかな……」
いくらヒカルに頼まれたとはいえ、流石に荷が重たいな。
私はため息をつきながら、卑弥呼に視線を向けた。
地に座り、瞼を伏せて瞑想らしきものを行っている。
このチームに加入してから、レベルは4000前後だったのが5500前後まで上がった。
まだまだ低いけど、回復要員としているのには十分ね。
命力の流れを整えて、治癒系の能力を高めているんだ。
確かに治療を行うのには申し分ない。
でも。
「やっぱり私は、はるちゃんがよかったなあ」
私は、はるちゃんの顔を思い浮かべ灰色の土に向かって呟いた。
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