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大人しいけど、私達の中では誰よりも優しくて、人を想える子だった。
誰かが傷つけば自分のことの様に心配をして、誰かが涙を浮かべれば一緒に泣いてくれる。
汚れてしまった私達の中では、最後まで綺麗な気持ちを持っていた。
いつからだろう。
こんな風に考えるようになったのは。
私達が進む道は、本当に正しいのだろうか?
本当は間違っている?
私達が進んでいる道は。
いいえ。間違っていないはず。
ヒカルは名前の通り、私達に光を与えてくれた存在だ。
絶望が渦巻く暗い場所に、太陽をそっと置いてくれた人。
地球が太陽の周りに浮かぶ様に。
地球が太陽に従うのは、ごく自然なことだ。
太陽がいなくなれば、地球は生きていけない。
だから、私達はヒカルに出来ることをする。
はるちゃんは、その輪から外れただけなんだ。
「ブウゥウン」
こんな事を考えると、目頭が熱くなるのは何故?
『まみちゃん。ブラックアウトの世界にオーロラってあると思う?』
『オーロラ?どうだろう。ブラックアウトの世界は全てが作りモノだから』
『全てが作りモノだと見れないの?』
『オーロラは太陽風って呼ばれているプラズマ粒子が複雑な過程を経て……。うーん。どう考えてもないかな。だって、太陽も空も作り物だから』
不意に、そんな会話をしていたことを思い出した。
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