成長、そして戦争へ

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「俺は……」 ペンを持ち、地図に印を書く。 「俺は国内の大通り、王宮の外を担当だ」 大通りを中心に、国全体を守る。 魔法の絨毯があれば、国全体の状況を把握することができるし、例えば裏側から敵が攻めてきたとしても、すぐにシンバさんの部隊に連絡をして味方を移動させることが出来る。 また、戦闘要員でない者は、アンネさんの宿舎を含めた幾つかのシェルターに避難させているから安全ではあるけど。 リリルは地図を眺めながら、指を顎に当てて何かを考えている仕草をした。 「どうした?」 「やっぱり国の中に、もう少し人員を割いたほうがいい気がするなー。幾ら外を完璧にしても、万が一、埃ぐらい小さい敵でも侵入させてしまったらアウトでしょー?」 確かにそうだ。 万が一、侵入を許してしまえば国全体が危機に陥りかねない。 それを潰すのが俺の役目なんだけど。 「アレクサンドロスには、あの奇策のアレックスがいるからねー。何をしてくるかはわからないから」 アレクサンドロスのアレックスは、人型機動兵器を作り出しているナンバー2の男だ。 リリルは、一度アレックスと戦って、あいつのことを負かしている。 アレックスは間違いなく、リリルに雪辱を果たすことを考えているはずだ。
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