成長、そして戦争へ

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「ウルフ。突っ走ってDIMでの連絡を忘れるなよ」 シンバさんの言葉に、ウルフは首をカクカク動かして答えた。 「う、ういっす!」 目的は、アレクサンドロスの殲滅ではない。 リーダーのレオンを殺すことでもない。 アレクサンドロスが持っている『虹の宝玉』と最近、手に入れた『虹の鍵』だ。 この二つがあれば……。 こちら側が所持している『虹の刀』と『虹の都』で、メインストーリーの攻略と同時に世界が変わる瞬間まで迫れるはず。 「国王様!以上で配置の最終確認を終えました!」 俺が放った言葉に、国王様は玉座から腰を持ち上げた。 俺達全員が、国王様の言葉を聞くために跪く。 「この戦争で、例えば大きな犠牲が出るかもしれん。それは敵を含め、全ての者に該当するだろう。しかし、その先で輝く希望の大きさは計り知れない。輝きを手に入れるための戦い。だが、いざとなれば背を向けて逃げ出せ。自身の命が惜しくなれば、それは敗北を意味するのだから逃げ出したほうが得だ」 敗北の意味……か。 「それを越えた者だけに、オリンポスは微笑む。手を伸ばせば、もう届く輝きに」 リリルは床に顔を向けたまま口を開いた。 「国王様。私達は背を向けて逃げはしません。それが少なくとも前に進めない道だと知っているから」 国王様は、その言葉に笑みを浮かべた。 「戦争開始だ」
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