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・黒田研究員の日記
急速に進められた能力(インジェクション)の開発は、結果的に二通り作られることになった。
能力を発動させるための動力は、人の体の中に存在する特殊なエネルギーを使用する。
インジェクションは、予め能力が決まった“スキル”と、何も入っていない“エンプティー”の二種類が採用されることになった。
これによって、人は超能力者と呼ばれる存在になるだろう。
開発を進めていた、神刀について。
実験は失敗。
力こそは大きいが、神には程遠い存在を作り出してしまった。
これは私が研究員になって以来、初めてと言っていいほどの大きな失敗だ。
闇と光の刀を作ることには成功した。
私が考えた方法では、神の存在を作り出すことが出来なかった。
ブラックアウト運営委員会の上層部は、力さえ手に入ればいいと思っている。
それじゃあ、いけないんだ。
私が作り出したいモノは、力じゃない。
神その物が作りたいんだ。
明日から再び神刀の実験を行う。
おそらく……。
あの方法なら、神刀を作ることに成功するはずだ。
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