xx─2

2/2
前へ
/17ページ
次へ
・黒田研究員の日記 急速に進められた能力(インジェクション)の開発は、結果的に二通り作られることになった。 能力を発動させるための動力は、人の体の中に存在する特殊なエネルギーを使用する。 インジェクションは、予め能力が決まった“スキル”と、何も入っていない“エンプティー”の二種類が採用されることになった。 これによって、人は超能力者と呼ばれる存在になるだろう。 開発を進めていた、神刀について。 実験は失敗。 力こそは大きいが、神には程遠い存在を作り出してしまった。 これは私が研究員になって以来、初めてと言っていいほどの大きな失敗だ。 闇と光の刀を作ることには成功した。 私が考えた方法では、神の存在を作り出すことが出来なかった。 ブラックアウト運営委員会の上層部は、力さえ手に入ればいいと思っている。 それじゃあ、いけないんだ。 私が作り出したいモノは、力じゃない。 神その物が作りたいんだ。 明日から再び神刀の実験を行う。 おそらく……。 あの方法なら、神刀を作ることに成功するはずだ。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

477人が本棚に入れています
本棚に追加