477人が本棚に入れています
本棚に追加
──アダム・アカイヴァー ──
チーム対抗戦前日。まもなく、時刻は戦争が始まる48時間前に達する。
最後の会議を行うために、俺達は宮殿の国王の間に集まった。
「じゃあ、国王様の直接護衛は私の担当だねー」
リリルは地図に書かれた国王の間に、ペンで印をつけて自分の名前を記す。
俺はシンバさんの方に視線を向けて質問をした。
「シンバさんは、領土の周りを囲っている壁の外でいいんですよね?」
「どこでもいい。好きにしてくれ。任されたところをやる」
シンバさんはどうでも良さそうな顔をしたが、本当は予め自分が担当する場所なんて薄々気づいている。
この人、こういうところがあるんだよなー。
俺は、入口の門の外側に、丸をつけてシンバさんの名前を書き込んだ。
国の外側。特に正面を徹底的に、他のチームから支援してくれるメンバーで固めておく。
さらには、外壁にもある程度の人数を置いておけば、どこから敵が来ても救援を出せば、いつでも対応することが出来る。
「じゃあ、シンバさんは結界も張ってくださいね」
レッドキングダムのメンバーの中で、いやブラックアウトの全プレイヤーの中で、結界の精度はシンバさんが一番優れている。
さすがに国全体を覆うほどの結界は無理だけど、正面に張っておけば、とんでもない攻撃を仕掛けてきてもまず大丈夫だろう。
例え、ブラックアウトの三大兵器が来ようとも。
だから、シンバさんは国の正面。入口に立つ男なんだ。
最初のコメントを投稿しよう!