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頭の中で鳴る二度目の警報。
Balloon explosion
ミラが所有していた能力だ。
手先から現れる風船。
風船が破裂すれば、爆発を引き起こす。
シンバは背後の気配を感じとっているみたいだが、既に避けられるような段階じゃない。
さあ、どうする?
地に着くまでに風船は爆発する。
強引に逃げたとしても、地上の罠が貴方を捕らえる。
でも、シンバは慌てている様子はなかった。
「え?」
爆発するはずだった風船が段々と小さくなっていく。
それどころか、人形となっているはずのミラの動きが明らかに止まった。
ルイのミス?
確かに、過去のデータ上、ルイは何度か人形の操作を失敗したことがある。
それほど高度な技術が必要なのは私もわかっているし、命力だって沢山使っている。
私はルイの方を見た。
ルイは、これまでに見せたことがない瞳をしていた。
深く沈んだ冷たく殺気が籠った瞳。
シンバに対して向けられた殺気を感じて悟る。
自分の失敗だと思っていない。
つまり、シンバが何かをしたのだ。
パソコンの画面上に移るシンバの姿からは、命力も心力も魂力も出ていない。
能力を解除された。
でも、シンバは何もした形跡がない。
風船から逃れたシンバは、十分に余裕がある様で地に着地した。
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