A班

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「回収!」 ルイの声と共に、ミラは異次元空間へ戻っていく。 あんな能力あるの? おかしくない? シンバは能力を使っていない。多分……。 予想外なのにもほどがある。 ルイの人形は、命力を注ぎ込んで動くタイプだ。 車にガソリンを入れるのと似ている。 動かなくなったのは、おそらくそのガソリンがゼロになったから。 そんなこと可能? しかも、一瞬で。 着地したシンバは、周囲の地面を見回していた。 卑弥呼が設置したトラップを見ている? まずいな。出だしにも関わらず、完全に流れが悪い。 ルイを含め卑弥呼も空も、あまりの予想外の事態に困惑を隠せていない。 落ち着いているのは、シンバだけ。 マジック。そう。手品だ。 シンバが今やったことには、何かタネがあるはず。 それを見破ればいいんだ。 「随分、沢山の罠を仕掛けたな」 シンバは、地面を見ながら冷静な口調でそう言った。 ルイは掌に命力を灯す。 さらに、空はいつでも攻撃が仕掛けられるように構えた。 ここからだな。二人に火が点いた。 「ナメんなよ。ロン毛帽子野郎」 ルイが中指を立てると同時に、シンバを囲む形で四つの異次元空間の穴が広がった。
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