A班

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私の命令に対して、シンバの表情は変わらない。 「貴方なら自力で自分の手首を切り落とすくらい簡単でしょ?」 だって、分析完了の内容は相殺って出たからね。 初めから奴は、能力なんて使ってなかった。 命力の高等技術。 相手が能力を発動させるために消費した命力よりも多く命力をぶつければ、能力は死滅する。 これは相手が使った命力の量を一瞬で見極めなければいけないわけだから、相当な困難を要する。 しかも、相手の命力よりも多く使えば、自分は相手よりも無駄に命力を消費するわけだからね。 だから、通常ならば、その場に無駄な命力が漂うわけだから打ち消されたってわかるの。 では、何故わからなかったか? それは相手が使った命力と全くの同じ量をぶつけたから。 全くの狂いもなく。 相手と全く同じ量ならば、命力はその場に残らない。 だからコンピューターも、力を使っていないと判断した。 ルイの人形に込めた命力の量を、一瞬で見極めるぐらいだ。 これは化け物レベルね。 「とりあえず自分の両手首を切り落とせば、アンネには手を出さないであげるわ」 私は卑弥呼の方を見た。 「出来ないなら、卑弥呼にやらせるわ」
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