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シンバは表面上では冷静を装っているが、内心では判断に迷っているはず。
この状況において一番大事なのは、自分が強制クエストから帰ることだ。
それが、何よりもレッドキングダムのため。
自分の立場を踏まえて動く男ならば、この場は無視をしてアンネは見殺しにする。
そう。これが答えだ。
貴方はミスをおかした。
私の言葉に一瞬の動揺を見せた。
これが使える手段なんだとわからせてしまった。
よかったよ。本気で戦う前で。
これが私の答えでもある。
シンバ。貴方の弱点はこれだ。
「どうしたの?手首を落としなさいよ?貴方ほどの使い手なら、落とした方の手首に命力を灯して刃の様に鋭く硬質化させて、もう片方の手首を切り落とせるでしょ?」
両手首を落とした後は、次は足首……。
いや。それじゃあ、面白くないな。
「それとも卑弥呼に切断させる?できるわよね?自分で」
そうだ。手首を落とした後は、さらにもう一度、肘まで落としてもらおう。
「さあ、早く」
これで勝てる。
「早く!」
ヒカルに言われた通り。
「はやく!はやく!」
シンバに勝てる!
「早く切り落としなさ」
「やれよ!」
その瞬間、時が止まったように思えた。
シンバが初めて怒鳴り声を出した。
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