A班

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え? どっちのやれよって意味? かなり白けるんだけど。 でも、シンバの顔つきと瞳ですぐにわかる。 あー、アンネを見捨てるってことか。 アンネを失ったとしても、チーム最優先。 そうだよね。そうこなくっちゃ。 やっぱり大勢の組織の上にいる人間は、そうでなくっちゃいけない。 私情は捨てて、仕事に徹する。 これ、大人のマナー。 「いいのね?」 シンバは身を屈めて、全身から魂力を放つ。 戦闘体勢に入った。 なるほど。確かに正解かも。 これ以上は時間の無駄と判断した。 強制クエストを作り出したであろう私を殺す気だ。 そうすれば帰れると判断したのだ。 上等よ。刺し違えても、貴方の大切な物を壊してあげる。 「ルイ!人形にアンネを殺させて!」 おそらくルイなら離れていても、人形に命令することが出来る。 最悪の場合は、ルイだけを向こうに戻して人形に命じさせればいい。 「ルイ!早く!」 私は緊張と苛立ちを抱えながら、ルイに視線を向けた。 「ルイ!聞こえてる?」 ルイはその場に立ち、下を見ていた。 早くしてよ。 「ルイ?」 早くしないと、シンバが私に攻撃してくるでしょ。 「ルイ!」 次の瞬間、ルイは私の方を見て大声でこう言った。 「できないよ!汚すぎるよ!何だよ!それ!こんなの卑怯すぎるだろ!」 今、何て?
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