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誰?
茫然とする意外、他にない。
黒いスーツを身に纏い、縁の長い帽子を深く被った中年の男。
鼻の下には髭を生やし、手には細長い木の杖を持っている。
見覚えはない。
こいつと、初対面であることには間違いない。
どういうこと?
シンバを見ると、特に戸惑っている様子はなかった。
もしかして知り合いか?
クエストへの侵入は、確かに不可能じゃない。
同じ平面上に全ての島が存在する限り、そこまで直接行けばいいのだから。
もし、シンバの仲間だとしたら、たった一つのクエストを探し出すのは困難と言える。
全クエストは15万以上。
そこからたった一人を、こんな短時間で探し出すのは無理だ。
仮に、個人の命力などを完璧に辿る能力を持っていたとしよう。
シンバがどこに行ったとしても、辿ることが出来る能力。
でも、あり得ないのは今の今までこの男の存在に全く気付かなかったこと。
神谷と名乗った男は、シンバに向かって言った。
「このクエストを脱出するための宝石です。これで、貴方は帰れます」
男がシンバに渡したのは、強制クエストから帰るための宝石。
一体、いつの間に?
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