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さて、任務に集中しなきゃ。
いよいよ、これから本番。
いいえ、既に第一段階は成功したわ。
本番はもう始まっている。
まるで、学校で練習した歌のコンクールの時と同じ感覚。
ここは、新しく乗っ取ったクエスト。
直径100キロに渡り、ひたすら草原が広がっている島だ。
クエストを乗っ取るのは、そんなに簡単じゃない。
基本クエストは管理人がいるから運営側にすぐに対処されちゃうし、クエストのプログラムをほとんど丸ごと変えて乗っ取るから、あまりにも複雑な内容の物は無理だしね。
只でさえ、一つ一つのクエストに膨大な量のデータが入っているんだから。
さらに、戦うのに適した場所。
正直、今回ほど苦労したことはないかも。
私達、A班に与えられた役目は“ある一人の男”を倒すこと。
そのために、今日まで四人で色々と考えたりしてきたんだ。
私達がいる場所から数十メートル先の地点で、小さな光が現れる。
来た。
全員が、光に向かって針のように鋭い視線を向けた。
光は段々と人の形へ変わっていく。
第一段階。成功。
対象の人物を、強制クエストで呼び込んだ。
私達が倒す男は、レッドキングダムのシンバ。
「ブウゥウン」
相手は、将棋で言えば飛車と角を育てたような奴。
「エンター」
ちょっと楽しいかも。
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