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シンバは、変身した空の動向を見守る。
私はパソコンを操作した。
やっぱり正解。反射的に警戒して、心力を少し外に出したわね。
けど心境は、警報を鳴らした主が子供だということで驚いている方が大きい。
画面に映るシンバを見れば、一目瞭然だわ。
空は、攻撃を仕掛けないことになっている。
あくまでも脅しだけ。
でも、もしそっちから攻撃を仕掛けて来ないなら……。
「こんな子供なのに……何で命力が殺伐としているんだ……」
次の瞬間、何故かシンバは空を見て、哀しそうな瞳をした。
何かイラっとするわ。
余裕を見せた態度。
しゃくに障るわ。
私は別の画面を開き、キーボードを叩いて指令を飛ばした。
エンターを押して、ルイ、空、卑弥呼の脳へ言葉を飛ばす。
パソコンの能力のうちの一つ。
これは脳へ直接言葉を飛ばして、自分が選んだ人にだけ伝えられる能力だ。
今、私が打った言葉は三人の脳内で再生されている。
真っ先に卑弥呼が頷いた。
卑弥呼の手には命力が灯される。
今度は空のように脅しじゃない。
次に、ルイが能力を放つ用意を整え始めた。
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