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アレクサンドロスのメンバー達は、まだ一人も戦場に出てきていない。
それは無人のロボットなわけだから、当然のことだ。
だが、待てよ。
本部ごと乗り込んできたわけだから、俺は全員がこの建物内にいるっていう先入観みたいなもの思い込んでいた。
このロボット達は、単にレッドキングダムの戦力を少しでも削れればいいと考えられた、いわば初手にすぎない。
なら、その先を考えろ。
あのアレックスのことだ。
全員を本部に置いておくか?
アレクサンドロス自慢の兵器も、未だに一体も投入されていない。
俺は嫌な予感がした。
アレックスの目的。
アレックスは意外なとこに目をつけるのが得意だ。
本部ごと乗り込むことに成功して、初手のロボットを投入した後。
俺なら宮殿を攻め落とすことを考える。
俺なら。
国王を殺さなければ、いくら戦おうが何の意味もない。
あくまでも俺ならだ。
アレックスが考えそうなこと……。
アレックスは奇策を考えるが、意外にも堅実に勝利を掴む考え方だ。
多分だけど……。
わからない。
今はロボットの放出を止める方が先だ。
俺は能力を放つために、心力を体の内側から引き出した。
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