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─────渋谷和也─────
休戦命令が出されてから一時間半。
レッドキングダム国内には、僅かな安らぎが訪れる。
アレクサンドロスからの休戦の申し入れをレッドキングダムは受け入れ、戦闘の再開は十二時間後の夕方に決まったそうだ。
休戦のやり取りの詳細は不明だが、センターを通してやり取りをしているため、その時刻までに何かしらの不正を行った場合はペナルティが起こるらしい。
俺達は宿舎で待機していた。
ダイニングテーブルを囲って、アンネさんが作ってくれた料理を食べている。
宿舎内は、他のチームから応援に駆けつけてくれたプレイヤー達で溢れていた。
「休戦を申し込む方もだが、それを受け入れるなんてどうかしてるぜ」
宿舎内には殺伐とした空気が漂う。
レッドキングダムは、アレクサンドロスに奇襲をかけられ防戦一方だった。
事実上の敗北と言ってもおかしくはない。
さらに、先に出た攻撃部隊は全滅。
無人ロボット達との戦闘で、怪我人も沢山出た。
アンネさんらは、怪我人の治療で慌ただしく動いている。
空気が殺伐とするのも、決しておかしい話ではなかった。
「ねえ、あれ何だったのかな?」
そんな中、美沙は、壁に寄りかかりながら座り込む家康さんを見ながら口を開いた。
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