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「はあはあ……」
ミケランジェロは体勢を崩し、その場で地面に倒れる。
「あぁあ」
小さな声で鳴き、顔を歪めて手で足を押さえた。
その押さえる片手も指がない。
脳にかかる負担は、よりひときわ高まる。
意識を集中させないと。
元々は空間圧縮の技とかカッコイイじゃんと思って頑張って作っただけなのに、出来たと思ったらそれは脳に負担がかかる大きなデメリットを自然と生み出した。
能力は、優れたものを完成させたとしても、たまに自分では想定をしていなかった大きなデメリットを生み出すことがある。
それどころかデメリットが大きすぎて、結果的には能力を使えなかったり、使って失敗することもある。
例えば、絶対に相手を殺す能力が出来たとしても、使った瞬間には自分が死ぬとか。
能力を放つ前に自分が死んだら無意味だ。
この能力は、それに近いものがある。
大きな力を手に入れる代わりに、あたしの脳へかかる負担は増していく。
まあ、バカだから中身がないし負担がかかって馬鹿になってもいいんだけどね。
ただ、あたしの脳が圧縮されたらそれは終わりを意味している。
頭、痛い。気持ち悪い。
うずくまるミケランジェロ。
あたしは息を切らしながら、ミケランジェロの様子を窺う。
おいおい。嘘だろ。
ミケランジェロの体内に潜む力が増幅していっている。
これは……。
どういうことだ……。
はるかの能力の雰囲気と似ている?
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