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破裂したミケランジェロの指は、跡形もなく姿を消し去る。
ミケランジェロはちぎれた部分を押さえながら、苦痛に埋もれた表情を浮かべた。
「はあはあ」
能力を放ってから数秒後、体に負担がかかり始める。
脳が重たくなったような気がすると、視界は僅かに上下に揺れた。
気持ち悪い。
この能力は命に危険を及ぼす可能性があると、体が警告しているような気がした。
大丈夫。これぐらいなら何とかなる。
休んでいる暇はない。
あたしは、再びミケランジェロの心臓辺りを見つめた。
意識を集中して、脳から瞳に命力を送り込む。
この能力は、あたしの体から攻撃を放つわけではなく、狙った場所にそのまま攻撃を仕掛けることが出来る。
気付けば、攻撃されているのだから避けるのは極めて難しい。
能力は爆発ではなく、空間の圧縮のみ。
狙い定めた場所を限界まで圧縮させると、元に戻ろうとする空間の力で自動的に爆発する。
ミケランジェロはあたしの視線に気が付き、今度は上に飛び上がった。
心臓にはまた逃げられてしまったが、今度は右足に視線が重なる。
右足の膝の下から圧縮が始まった。
「くそっ!」
限界まで小さくなるミケランジェロの右足。
直後、爆発を引き起こして右足の膝から下が吹き飛んだ。
「ぐあああ!」
ミケランジェロは苦痛な声を出す。
これ勝てるんじゃないか?
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