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何だ。これ。攻撃か?
いや……。
奴の体からは、七色に輝いた水が溢れ始める。
「あはは」
右手に現れる紅茶を入れるようなティーポット。
奴はティーポットに入った液体を、自分が怪我を負った場所にかけ始めた。
これって……。似ているで済む問題じゃない。
すると、みるみるうちに破損していた体が回復していく。
ま、マジかよ。
はるかの能力そのものじゃん……。
全く同じ能力だ。
はるかはうちのチームでは、回復要員の役割を担っていた。
みんなが負った怪我を、はるかがよくこのティーポットを使って治療していたのを覚えている。
あのいきなり現れたへなちょこ白刀野郎が言っていたことが、本当だとしたら。
はるかを殺したのはユキヤ。
ユキヤがはるかを殺したのは何となくそんなような気がしていたが、どこか腑に落ちなかったんだ。
だって、ユキヤにははるかを殺す理由がない。
あいつの性格の悪さはあたしもわかっているが、それは強がりや不器用だってみんなわかっている。
だから、はるかを殺した確信が持てない。
でも……いつの頃からかあいつは変わってしまった。
本当に、他人に対して牙を向けるようになったんだ。
いや……違う。
変わったのはあいつだけじゃない。
チーム内のみんなが変わっていったんだ。
「何でてめえがはるかの能力を持ってるんだよ?」
あたしは殺意を込めて言った。
回復を終えたミケランジェロは、相変わらず薄気味悪い笑顔を浮かべながら口を開いた。
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