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闇を纏う敵。
間に違う存在が入ったことにより、距離感が完全にずれる。
俺は刀に集めた力を解放し、敵に斬りかかった。
新たな敵が現れたことによる一瞬の迷い。
ミケランジェロにとっては、反撃をするのには十分な時間だったに違いない。
新たなに現れた黒い敵の背後に立つミケランジェロ。
凄まじい命力が、瞬時に集まったのを感じる。
まさか……。
ミケランジェロは、能力を解除する気なんて初めからなかったんだ。
羽柴の攻撃を恐れていたのは間違いない。
自分が能力を解除した瞬間に、羽柴に仕掛けられることを想定はしていた。
その対処方に選んだのは、能力を解除せず、防御を行うこともなく、自分の能力を盾にしてまとめて攻撃を行うこと。
黒い敵は、俺が振り下ろした刃に切り裂かれる。
奴にとっては全て想定していたことなんだろう。
ミケランジェロの体は透けていて、まだ能力は解除していない。
今、避ければ致命傷は逃れるかもしれない。
その瞬間、自分の体は動き出す。
奴は俺よりも遥かに上なんだ。
ここで逃げ出せば、奴の思惑通り。
だから、奴にとって予想外なことをしなければ前には進まない。
『やめろ!』
奴は能力を解除しなかった。
これは絶好のチャンスだろ?
逃げるな。進め。
解放される能力。
俺は振り降ろした刃をすかさず構えて、ミケランジェロに斬りかかった。
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