452人が本棚に入れています
本棚に追加
三人の背後に広がっている、あの穴はなんだ?
うちにあんな能力を持った奴いたか?
天海が、二宮より少し前に出て口を開く。
「さあて。貴方はどこの誰なのかしら?」
ミケランジェロは現れた三人に対して、攻撃を警戒するような素振りをする。
天海の手に持っているパソコンは、ミケランジェロに向けられた。
あのパソコンには、DIMの機能も内蔵されている。
いや、正しくはDIMよりも高性能の測定器が備わっている。
ミケランジェロの解析を始めたか。
天海のパソコンの解析には、フェイクモードもシーフモードも通用しない。
渋谷和也は、落ち着いた様子であたしの仲間を見ていた。
「あら。大物ね。世界の王の補佐。メインストーリー担当者。名は、ミケランジェロね」
天海の言葉に、ミケランジェロは怪訝な顔つきをした。
だが、次の瞬間、頭を切り替えたのかミケランジェロは殺気を放ちながらこう言った。
「まあ、いい。全員、殺せばいいさ」
強烈な命力と心力。
すると、二宮はミケランジェロに近づきながら野太い声で言った。
「羽柴とそこにいる男は返してもらう。なるべくなら戦いは避けたい。ここは黙って手打ちにしてくれないだろうか?」
その頑とした姿は、絶対に意見を曲げないことが窺えた。
最初のコメントを投稿しよう!