戦争再開-2

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ミケランジェロは、あたしの胸ぐらを掴みぐいっと引き寄せた。 駄目だ。手以外は実体じゃない。今、力を使っても奴には攻撃が通用しない。 「認めたんだよ。僕が。だから殺さないであげるよ」 不愉快な奴の声。 「せっかくだから種明かしをしよう。ユキヤは僕の自慢の人形のうちの一体だ。あの子は特殊でね。心が歪んでるから気に入ったんだ」 ユキヤは操られている。 それでか……。だから、おかしくなったのか。 ユキヤは、ここしばらく別人のようだった。 歪んだのは自然ではなく、人為的に。 こいつは人さえも操る能力を持っている。 ユキヤははるかを殺した。 いや、こいつに殺されたんだ。 体を操る能力が共通していることから、あたしには何となくわかる。 「そんなに怖い顔するなよ。正確に言えば、佐々木はるかを殺せと命じたわけじゃない。大切なものや愛するものを壊すような作りにしたんだ」 その言葉で、あたしの体はわなわなと震えた。 「君は大切な誰かには嘘しかつけないように作り替えるかな。あっ。そうそう、人形の作り方なんだけど……」 「ぺっ!」 あたしは、口に溜まった血を奴の顔に吐き出した。 「殺せよ」 そうだ。冷静になれば、ここで勝とうなんて考えが甘い。 これが最善の選択だ。 ユキヤのことは、ヒカル達がきっと何とかしてくれる。 今、一番いけないのは、あたしがみんなに迷惑をかけることだ。 それだけは避けなければいけない。
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