戦争再開-2

21/31
前へ
/31ページ
次へ
わかった……。あの穴……。 あたしは、三人の後ろの空間で広がる穴を見た。 天海の能力で居場所がわかったとしても、すぐにそのクエストに行く方法がない。 あたしはそれが唯一の不安だった。 でも、三人はあの穴を通ってここまで来た。 見れば、膨大な命力が凝縮されていることがわかる。 あんな化け物じみたことが出来るのは、あの兵器だけだ。 ポセイドンの力を使ったな。 あんなことが出来るのか。 いや、これが本来の使い方? レッドキングダムの領土にぶっぱなすために、昨日から溜めていたエネルギーを使ったんだ。 エネルギーは全て使ったはず。 今の二宮には、命力はあまり残されていないはず。 つまり、はったりだ。 なのに、二宮の言葉には嘘を感じさせなかった。 「互いに損だろう?ここは互いに退くってことで納得してくれないだろうか」 堂々とした二宮の交渉。 渋谷和也も、その様子を静かに見守っていた。 しばしの沈黙。 ミケランジェロは、あたし、渋谷和也、二宮を順番に見た。 「あははは。僕に交渉ね」 ミケランジェロの言葉を待っている。 二宮は、ただならぬ威圧感を醸し出していた。 次の瞬間、ミケランジェロは小さく頷いて口を開く。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

452人が本棚に入れています
本棚に追加