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わかった……。あの穴……。
あたしは、三人の後ろの空間で広がる穴を見た。
天海の能力で居場所がわかったとしても、すぐにそのクエストに行く方法がない。
あたしはそれが唯一の不安だった。
でも、三人はあの穴を通ってここまで来た。
見れば、膨大な命力が凝縮されていることがわかる。
あんな化け物じみたことが出来るのは、あの兵器だけだ。
ポセイドンの力を使ったな。
あんなことが出来るのか。
いや、これが本来の使い方?
レッドキングダムの領土にぶっぱなすために、昨日から溜めていたエネルギーを使ったんだ。
エネルギーは全て使ったはず。
今の二宮には、命力はあまり残されていないはず。
つまり、はったりだ。
なのに、二宮の言葉には嘘を感じさせなかった。
「互いに損だろう?ここは互いに退くってことで納得してくれないだろうか」
堂々とした二宮の交渉。
渋谷和也も、その様子を静かに見守っていた。
しばしの沈黙。
ミケランジェロは、あたし、渋谷和也、二宮を順番に見た。
「あははは。僕に交渉ね」
ミケランジェロの言葉を待っている。
二宮は、ただならぬ威圧感を醸し出していた。
次の瞬間、ミケランジェロは小さく頷いて口を開く。
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