戦争再開-2

23/31
前へ
/31ページ
次へ
───ミケランジェロ─── 光の穴の中へ消え行く五人。 ブラックスターには、まんまとやられたな。 こんなことで退かなければならないなんて。 せっかく楽しんでいたのに……。 邪魔さえ入らなければ。 消え行く二宮の背中。 今すぐにぶっ刺して、ぐちゃぐちゃにしてやりたい。 二宮が苦痛に埋もれた表情を浮かべる中、火であぶった針を足の爪と肉の間に差し込み弄くり回したい。 そんな中、眼球を手で取り出すんだ。 「くそっ」 奴はポセイドンの所持者。 ここへ来れたのも、ポセイドンが有する能力を使ったからだろう。 本来の能力に気がついたってところか。 まあ、本当の使用目的には気づかないだろうけど。 それを考えれば、ここで互いに退いたのは正解だと言える。 五人が通り抜けると、次第に空間に浮かんでいた穴は狭まりだしてすぐに消えた。 その矢先。 背後に気配。 「あれ?ミケランジェロさんともあろう方が、随分とあっさりと見逃すんですね」 僕は舌打ちをした。 嫌みな言い方。 その声は、いつも勘に触る。 気配を感じたのはたった今。 「いつから居た?沖田」 僕は姿を見るために振り返る。 こいつは、僕の部下のくせにいつも生意気だ。 「嫌だな。僕の名前は藤原ですよ。忘れましたか?」 僕の背後には、にこにこと微笑む藤原優が立っていた。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

452人が本棚に入れています
本棚に追加