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───ミケランジェロ───
光の穴の中へ消え行く五人。
ブラックスターには、まんまとやられたな。
こんなことで退かなければならないなんて。
せっかく楽しんでいたのに……。
邪魔さえ入らなければ。
消え行く二宮の背中。
今すぐにぶっ刺して、ぐちゃぐちゃにしてやりたい。
二宮が苦痛に埋もれた表情を浮かべる中、火であぶった針を足の爪と肉の間に差し込み弄くり回したい。
そんな中、眼球を手で取り出すんだ。
「くそっ」
奴はポセイドンの所持者。
ここへ来れたのも、ポセイドンが有する能力を使ったからだろう。
本来の能力に気がついたってところか。
まあ、本当の使用目的には気づかないだろうけど。
それを考えれば、ここで互いに退いたのは正解だと言える。
五人が通り抜けると、次第に空間に浮かんでいた穴は狭まりだしてすぐに消えた。
その矢先。
背後に気配。
「あれ?ミケランジェロさんともあろう方が、随分とあっさりと見逃すんですね」
僕は舌打ちをした。
嫌みな言い方。
その声は、いつも勘に触る。
気配を感じたのはたった今。
「いつから居た?沖田」
僕は姿を見るために振り返る。
こいつは、僕の部下のくせにいつも生意気だ。
「嫌だな。僕の名前は藤原ですよ。忘れましたか?」
僕の背後には、にこにこと微笑む藤原優が立っていた。
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