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そうだった。沖田は新撰組に潜入していた時の仮の名前だったな。
紛らわしいから、僕は沖田と呼ぶことにしたんだった。
「答えろ。いつからここにいたんだ?」
「どれくらい前ですかね。ほら。ミケランジェロさんの体が真っ二つにされたあたりぐらいからじゃないですか」
気配は全く感じなかった。いくら気配を消したとしても、僕が気付かないはずがない。
能力か。
沖田はそう言うと、堪えていた何かを吐き出すように、声を出してはははと笑った。
「思い出しただけでさっきのは笑えますよ」
「何がそんなに笑えるんだ?」
「え? だって、ほら。体を真っ二つにされた時のミケランジェロさんの表情。もう凄い必死で逃げて。あんなミケランジェロさん、なかなか見れないから。あははは」
腹を抱えて笑い続ける沖田。
沖田の態度は、非常に神経を逆なでする。
まあ、それでも、沖田だけは殺すわけにはいかないんだけど。
何で、こんな奴が僕たちの直属の部下なんだ。
「それで。何の用で僕のところへ来た?」
僕の質問に沖田は相変わらず笑うのを堪えた姿で返事をした。
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